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惑星 PLANET / 山内悠 ( Yu Yamauchi)
街のスナップとか、自然のランドスケープとか、ベッヒャーみたいな写真とか、ドキュメンタリーとか、写真のジャンルにこだわらなくても良いのかもしれない。
様々な写真のジャンルが詰まっているのに、不思議としっくり来てしまう1冊。こんな写真集もあるのだなーっと新鮮です。
***
富士山の上には「生と死」があり「宇宙」があったと言っていた2010年刊行の『夜明け』から、10年経って山内悠が見つけてきた新しい「宇宙」は。
真っ黒の紙に、無数の星の写真から始まる本書。
その次に、人間がまだいない創世記を思わせる石と星だけの世界を思わせる風景写真。
黒の質感が、もーーーーー気持ち良いです。
そして白い紙の眩しさを感じた時、カラーの自然風景や、その土地で暮らす民族のポートレートなどが始まります。
自然が作った山肌を見ていると、本当に自然の色?と思わせる紫や黄色といった色とりどりの山や岩が出てきて、ページを捲っていると毛の抜け変えの時期なのか、ボサボサの毛並みをしたトナカイが出てきます。
不思議と山肌とトナカイの毛並みが同じように見え、ラクダも出てくるのですが、ラクダのコブに似た山もあるのです。
カラーの風景写真の終盤で、緑の草原に美しく映える真っ白の動物骨を写した1枚があります。
それを見た瞬間、動物も人間も同じ骨になり、山や岩などの自然と私たち人間は同じ物質なんだっけ?と思ってしまいました。
そんな事を思っていると、舞台は街並みに変わり私たちとなんら変わらない暮らしをしている人々が写し出されて、ビル群の写真を見てモンゴルもこんなマンションがたくさん建っているのだなと驚いていると、いきなり舞台は砂漠地帯へ。
そこはまるでスターウォーズ。
砂漠の中に近未来の建物が今にも砂に埋もれそうになっています。
どう見ても廃墟のように見え、朽ちていくように見えます。
人間が、人間の作ったものが自然に帰っていく姿とでも言いましょうか。
そしてまた、舞台は変わり、真っ黒な紙に星たちが。
人間が生まれる前の宇宙のお話しから、人間が生まれ、文明も生まれ、そのあとを見たかのような1冊でした。
自然と人間。
山内悠は「自然」だけを捉えず、いつもそこに「人間」を見て来ました。
富士山の上で「宇宙」を見つけた山内悠が、改めてこの「宇宙」に生きているということを見せてくれたように思いました。
***
広川泰士さんやAnsel Adamsを思わせる、真っ黒の紙に印刷されたモノクロの自然風景。
Uta Barthやドイツ一派を思わせる砂漠の写真。
ソール・ライターやウィリアム・クライン を思わせる街のスナップ。
そして、民族の人々を撮ったポートレートに、旅をしている写真。
全て違うジャンルで、普通は1つのジャンルにこだわりそうですが、本書は全てを1つにしています。
でも、不思議とぐちゃぐちゃになってはいません。
それは、山内悠という「ある1つの世界」を見つけた作家さんの目を通しているからだと。
器用だなー、なんでも撮れるのだなーっと思いましたが
世界は様々な形、時間が流れているわけで、ジャンルに拘っているのは読者なのかもと思いつつ、これも1つの形なのだと思いました。
山内さんが見つけた「惑星」を沢山の視点からお楽しみください。
出版社:青幻舎
刊行年:2020年
サイズ:22.6×28.6cm
ページ:144pp
言語:日本語、英語
状態:新刊、ハードカバー
title:PLANET
publisher:Seigensha
size:22.6×28.6cm
pages:144pp
language:Japanese,English
condition:NEW,Hardcover
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