news

【today's freak vol.1】物語のような写真を撮るIZIS。

【today's freak】は毎月、ある人物にスポットを当てて紹介していく、これを読めばあなたもマニアになれる?!かもしれない、特集ページです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

IZIS / イジス (1911-1980)
本名: イスラエリス・ビデルマナス Israëlis Bidermanas
出身:リトアニア→フランス・パリに移住

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Henri cartier-bresson(アンリ・カルティエ=ブレッソン)と同年代に活躍していて、Robert Doisneau(ロベール・ドアノー)、Brassai(ブラッサイ)と共同で、グループ展を開催していた実力の持ち主なのに、フランス以外であまり知られていないIZIS(イジス)。

IZIS以外の写真家は、現代では大御所の大御所過ぎて、こう並べてみると本当に凄い時代に生きていたのだなと解ります。

ドイツの権威に振り回され続けた小国リトアニアを離れ、絵を描くため、著名な美術品が展示している美術館も多いパリに移住して来たイジスは、すぐに絵の仕事で生活出来る訳でも無く、故郷で身につけた現像の腕を生かして、生活のために写真館で働き始めます。

誠実さと、ずばぬけた技術で写真館を任される程になりましたが、時代は第二次世界大戦。

ユダヤ人であるイジスは、フランスの山地に避難するもののドイツ軍に囚われ、堪え難い苦難を乗り越え解放されますが、両親と兄夫婦、その子供達はナチスの地から戻ってくる事はありませんでした。

パリに戻って来たイジスが撮影したのは、解放されて活気を取り戻したパリでも、花の都パリでも無く、後に「何事もおこらない場所の専門家」と称される事になる日常の風景でした。

彼が撮影した日常は「写真に解説はいらない夢を見てもらいたい。」と語る彼らしい優しさがそこらじゅうに満ち溢れていて幸せな気持ちになります。

イジスの写真を説明する上で私はよく、絵本のような写真と紹介するのですが、見る側の私たちの想像をかきたたせる何かがそこには存在しています。