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【店主note】アンセル・アダムスの言葉

昨日のairiさんのトークイベントで、airiさんがチラっと話題にしたアンセル・アダムス(1902-1984)のインタビューはこの雑誌に掲載されているインタビューでした。

なんと発売は34年前の今日。
現代においても突き刺さる言葉ばかりで...偉人は写真も言葉も数十年残る物を発するのだなと。

アンセル・アダムスは写真家であり科学者とも呼ばれていた、プリント界の神さま。
彼のプリントした写真たちは、世界で初めて美術のオークションにかけられ、絵画ばかり見てきた人々を魅了するほどでした。

そんなアダムスの言葉たちを。

《「ハッセルブラッドを5000㌦も出して買ったのに、以前より良い写真が撮れないだ。」と言ってくる若い連中がいますけど、カメラが全部やってくれると思ってるんですね。ニコンやオリンパス、コンタフレックス、ライカなどの広告に掲載されるような写真を取れるようになるには、そのカメラを買えば良いと信じているのです。しかし、そうはいかない。写真の撮り方を学ぶことも、必要なのです。》

《ピアノみたいなものですよ。ピアノを弾くには音符が読めればいい訳ですが、モーツァルトを弾こうとすれば、そのためのテクニックやたゆまない練習が必要になってきます。》

《焼き付けは、ヴィジュアル化の作業の一部です。私はネガに込められている情報を修正できるテクニックをヴィジュアル化しているのです。音楽を例にすると、ネガは楽譜であり、焼き付けは演奏なのです》

《昔も今も写真は大きな相違はないと思います。写真家はいつの時代もいたのだし。唯一の差は、カメラが非常にシンプルになって来たという事でしょうが、それにしても昔より写真がうまくなったとは言えませんね。テクノロジーの進歩、紙やフィルムの規格化によって創作マテリアルの質が低下するのではないかと思いましたが、実際は、どんなマテリアルでも使いこなせるかどうかが問題なのです。》

34年前に残された言葉。
アンセル・アダムスが亡くなった1年後に過去のインタビューより掲載された言葉。
今もなお語り継がれる偉人の言葉。

/////過去の店主note /////
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