
【店主note】KAKERAの個人的な楽しみ方
現在、展示開催中の田附勝さんによる『KAKERA』。
この頃、写真集を読んでいて、ハッとしたことがあったので店主noteに残しておきます。
まずは普通に観賞していたんです。それはもう普通に。
見終わったあとに
「タイトルの『KAKERA』って何のカケラなのだろう?」
と疑問に思ってしまってからが本当に楽しかった。
縄文土器の『KAKERA』?
新聞紙の『KAKERA』?
文字の『KAKERA』?
新聞紙の日付の『KAKERA』?
時間の『KAKERA』?
『KAKERA』ってどこにかかってくる言葉なのでしょうか。
そんなこんなで何の答えも出せないまま、何ターンも何パターンも考えながら写真集を見返しているうちに縄文土器のカケラ付近にある「砂」が目に止まりました。
「砂」の粒が「土」となり、「土」が重なって「地層」となる。
そして「写真」の「印刷」は「(アミ)点」の集合でもある。
1粒の砂が集まり、その時代の大地となり、それが時代を重ねる内に地層となって、掘り起こせば恐竜がいた時代の地層が出てくる。
大地は1粒の「砂」であった。
そんな定規でも計れなさそうな砂を見ていて、自分は何の『KAKERA』なのだろうとも思えた。
そうこう考えている内に、またしても凄い時間が経っていて、時間というただ恐ろしく過ぎ去っていく、捕まえられない時間の流れを少しスローにすることが出来ていた。
この写真集1冊で、私は恐竜時代にも、縄文時代へへも思いを馳せることが出来ていて、考えては、導き出し、見つめ直しては、解らなくなって、自分を問い始めたりなんかしちゃって、気がついたら『KAKERA』の沼にハマっていた。
パッとみたら、新聞紙の上に縄文土器のカケラが並んでいる写真集。なのだけど、こんなに思考を楽しませて貰った写真集は久しぶりだった。シンプルって一番怖い。
そして、instgramのライブ配信で田附さんのこれまでを振り返り、写真集をなぜ作るのか伺え、そして造本された町口さんの意図も聞いてしまったもんだから、もう本当に何ターンこの写真集を見直したのだろうか。
まだ飽きないからね。
皆さんは『KAKERA』をどう読みましたか?
まだ見ていない!という方は下記の商品ページからご注文頂けます。
そして、youtubeに更新しましたトークイベントの動画を合わせてご覧いただければ『KAKERA』の沼にズブズブとハマってしまいますよ。
/////youtube/////
田附勝写真集『KAKERA』刊行記念展
ライブ配信「なぜ写真集をつくるのか」
https://youtu.be/PzrFlCg5Oo4
田附勝写真集『KAKERA』刊行記念展
ライブ配信第2弾「写真集をつくる現場」
ゲスト:造本家・町口覚、T&M Projects・松本知己、写真家・田附勝
https://youtu.be/IfGVe0lFFHU
/////店主noteのバックナンバー/////
https://bookobscura.com/news/5aea9a18122a7d1f480004fa