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【店主note】100 title note by book obscura

よくお客様に
「写真集の読み方が解る(読み物の)本はありませんか?」
「写真の歴史を理解する為にはどうすれば良いですか?」
と、聞かれることがあります。

読み物の本を読破することも重要ではあるのですが、1番陥りやすい落とし穴は「文章」で理解をしていても、いざ写真集を見たときに本当に理解が出来ないことがあるということです。

それは写真が文章で表現するものではなく、視覚表現であり、視覚で理解する必要があるからだと思います。

そして、もう1つの陥りやすい落とし穴が、写真集の説明文を読んで「そういうものだ」と解釈を固定して写真集を見てしまうこと。そうすることで自分の感性が無くなってしまいます。「そういうものだ」と思い込む恐ろしさとも言えるでしょう。結果として、よく見るイメージから抜け出せなくなり、さらには似たような写真の塊が量産されてしまうのでしょう。

冒頭の質問を頂いた時に、私はいつも「好きな系統だけでなく、とにかく多くの写真集を幅広くその目で見るしかない。そして、大切なのは自分の感想を持つこと」と答えるのです。

ということで、多くのお客様や生徒さんにお伝えしていたやり方が素早く出来るように「100タイトル見よう!」のノートを作ってしまいました!

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最初は、自分でランキングやリストが作れるページから始まります。
・購入したいもの or 見たいもの
・MY BEST ドキュメント写真集!
・ちょっと意味が理解出来なかったやつ
といったように、自分で好なTOP10を構成出来るページです。

読みたい写真集を最初にメモしておいて、少しずつ制覇していくのも楽しみの1つですよね。

そして、100冊の感想ページと続いていきます。
既に「1/100」「2/100」と番号が振ってあるので、何冊見たのか数える必要はなく、ノートを手にした日から100冊に向けて進めることができます。

書名と、作家名の欄の下に「自分の感想」や「イラスト」が書ける余白があり、何でも記入できます。私的なお勧めは、誰かが書いた「説明文」ではなく、「かっこよかった」「怖かった」「綺麗だった」といったことを書くこと。とにかく自分が思った感想を書くのが重要です!

「綺麗」も「かっこいい」も人によって様々です。
自分が綺麗だと思うもの、自分がかっこいいと思うものを探り、「なぜ自分は綺麗だと思ったのか」探っていくことが大切です。

「こう感じた」というのは、自分だけが使えることで自分だけのものです。

このノートはSNSと違って誰かが読むものではありません。
なので「人の目を気にした文章」ではなくて良いのです。

100冊見る!をSNSでやっても良いのですが、気がついたら「写真集の写真」を撮ることに意識を持って行かれて「ただ写真集の表紙紹介」だけになっている、なんてことも。

それはイメージビジュアルで終わってしまって勿体無いです!

ということでこのノートの本領が発揮します。

100冊書き終わったら、最後に「時代」で分けるページに突入します。

写真の歴史をベースにしているので、1800年代から始まってしまいますが、その後は「1900年代」「1910年代」と10年単位で変わっていきます。

私のお勧めは「撮影年」で記入していくやり方です。そうすると「写真史」順になるので、写真がどう変化して繋がれていったのか解っていきます。

100冊分記入していくと、自分の偏りが可視化出来るので、「2000年代の写真しか見てないなー」とか「60年代が抜けてる!?」と解ってくるはずです。

ノートの書き方によっては、時代記入の余白に縦線を入れて国で分けることもできます。「ドイツの写真家」を全然知らないなーっとも気づけますよね。

私は「写真集」しか解らないので、このような使用方法をお勧めしますが、小説でも、映画でも、音楽でも、演劇でも、漫画でも使えますので、ご自身の好きなもので100タイトル!目指してみて下さい。

自分の感性も磨きながら、写真集を広く見て写真の歴史も視覚で理解していきましょう。