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【店主note】偏愛日記_こういう雑誌?本?がどんどん増えてほしい。

こういう雑誌?本?がどんどん増えてほしい。

いやー、久しぶりに大興奮してる。
私を大興奮させた張本人は『PARTNERS ISSUE 3」。

本書は「関係性」をテーマにしいている雑誌で、3号目は「自分が聞きたいことを聞く」「自分が見たいものを撮る」という姿勢ではなく、“他者に耳を傾ける”に重きを置き、写真家、建築家、冒険家、映画監督、アーティスト、庭師など、幅広い分野で活動する人々に、多くの雑誌は原稿の締め切りは1週間〜1ヶ月ほどにも関わらず、4ヶ月という長い期間を与えて「Why be together?(なぜ一緒にいるの?)」という問いを投げかけて、集った33人それぞれの答えと文章と作品がまとめられた1冊になっている。

本書は作品を制作する上で重要なプロセスを具現化したような1冊過ぎて、驚きと興奮を隠しきれずにいる。

作品を制作するにあたって大切なことは、常日頃から喋っている日本語などの言語の単語は「大きすぎる」ということを意識し、その単語を更に自分なりに深掘りしていかないといけないということだと私は思う。

何かを見て「かっこいい」「美しい」「きれい」という言葉がよく出てきますが、これらの言葉は大きすぎる言葉なのです。

「かっこいい」は、パンク的なかっこよさなのか、侍的なかっこよさなのか。
「美しい」はどこの何をもってして使っているのか、常日頃から自分に疑問を投げかけて、他者の言葉を引用するのではなく、自分の中の言葉で出して行かなければ、いちアーティストとしてやっていけないと思うのです。

「関係性」をテーマにした写真集はたくさん存在しています。
家族、子供、妻、夫、祖父、祖母、彼女、彼氏という被写体に注目した作品や、人を写す時に関係性は必要なのか?という部分で撮影して来たりなど、本当に多く存在しています。

「関係性」という言葉だけで何か作ろうと考えると、やはり言葉として大き過ぎるので、「Why be together?(なぜ一緒にいるの?)」という、疑問にしていることで、自分自身に問いかけ己の中から何かを見つけてくる時間が必要になっているのが最高です。

「Why be together?(なぜ一緒にいるの?)」と質問された時、皆さんは何が一瞬で頭に出てきますでしょうか。

やはりパートナーなどの人の顔でしょうか。

私の中で言えば、写真という関係性、写真集という関係性もあります。
病気と一緒にいるという考えを持つ人もいれば、当たり前に存在している「空気」なんて考え方もでてくるのでしょう。

本書に出てくる庭師ジル・クレマンは「私たちは太陽の下で生活を営む生物だから」と。自宅の庭の風景なのか解らないが、水が流れる小川や、庭で拾った落ち葉などの写真が掲載されているので、自然と一緒にいることを考えたのでしょうか。

写真家の原美樹子さんの場合は「なぜならうろんな明日とらせんな明後日のために」とあります。
「うろんな」という単語に目が止まってしまいますが、この言葉の意味を理解する前に原さんの写真を見て、文章を読むと、なんとなく意味が解っておもしろいのです。

「関係性」という言葉、「うろんな」という言葉をGoogle検索するのはすぐで、意味もする理解出来ますが、意味が理解出来た所でそれは答えではありませんよね。

本書をじっくり読んでいると、疑問に対する対象も個性が現れ、答えに使用する単語も個性が出ているのが解ります。まさしくアーティストだなと。

写真家だけではない、職業も、国籍も、性別も、年齢も違う33人が集まっていることが、また素晴らしい1冊なのだなと、数分ごとにありとあらゆる所で興奮させてくるのです。

写真をやっていくうえで重要なのは、写真以外に興味を持つ事だと私は思っているので、前述で紹介した庭師の著書「動いている庭」 など、全て写真に変換することが可能なので、撮り方や使用する機材ばかりを理解していると、「関係性」という大きい言葉どころか、そのあとの「Why be together?(なぜ一緒にいるの?)」という疑問にも辿り着かず、己の中の言葉が無いものとして扱われてしまう結果に。

33人それぞれの「生」で、魂のこもった回答を読んで作品を見ることが出来るから、「違ってよいのか。」と思い「私だったら」なんて考えるキッカケになるのだと思います。

ほとんどのアーティストさんが写真を掲載しているので、写真と写真集好きにはたまらなく嬉しいポイント。

もはや写真集と言ってしまってよいのでは?雑誌と写真集の中間?な感じもまた良い所。

写真や、写真家、撮り方などを紹介するのも重要なのですが、何をどう考えているのかに触れれるって本当に大切な部分だと私は思うのです。

季刊誌でもなく週刊誌でもない雑誌で、3号目は6年ぶりに創刊となっていますが、作家に与えた制作期間を考えると、彼らが丁寧に作っていることが解り、情報の素晴らしさもありますが、情報になっていないこのような雑誌は本当に貴重です。

長く続けてほしいなと切に願うばかりです。

PARTNERS ISSUE #03 Why be together?(なぜ一緒にいるの?)/ 原 美樹子 ほか
¥3,960 税込
https://bookobscura.com/items/68feebccad6dc1c685745d51