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【店主note】Billions Served / Richard Renaldi

久々、ポートレイト写真集を個人買いしてた。

つい個人買いしてしまった『Billions Served』は、1968年アメリカ・シカゴ生まれのRichard Renaldi(リチャード・レナルディ)が、2019-2024年という長い年月をかけて、アメリカのファストフードで働いている人や、訪れた人々を撮影した1冊です。。

あまりにも美しいポートレイトにまずは目が魅了されてしまった。最初は写真の見た目という部分で一目惚れしてしまったと言える気がします。

でもこの作品が、それだけでは終わらなすぎて、2週間はずっと飽きずにずっと読んでしまいました。

初めて手にしてページを捲っている時は、「人を撮っている写真集かー・・・。」と思っていたのですが、ページをめくるごとに、マクドナルドやバーガーキング、サブウェイやタコベル、スタバなど日本でもよく知られているファストフードから、アメリカでしか見ないファストフード店でも撮影しており、すぐにスタッフさんとそこに来ているお客さんたちだなと気が付きます。

でも読み進めているうちに、「人」と共に、ページの途中に入ってくる建物や、捨てられているマックの紙コップなども重なり、大きなアメリカの資本の中を見せられている気持ちになります。

日本の写真家・石川竜一さんが地元である沖縄の人々を、沖縄の風景と共に撮影して「沖縄」を語って来たように、まさしくRichard Renaldiも人を撮影してアメリカを語っているように思いました。

この着眼点を日本で変換してみると、日本で思いつくファストフードに匹敵するものと言えば「コンビニ」でしょうか。(と言ってもセブンイレブンは元はアメリカだったのですが)

2026年、訪日する観光客が増え、多くの旅行者は日本のコンビニエンスストアの魅力にハマっていることから、全国的に日本=コンビニで結びつけれるものと思えます。

そして、日本のコンビニは、24時間営業している所がほとんどで、コンビニのサービスを考えたら、公共料金も支払えて、戸籍謄本なども出力出来るコピー機に、ATMとトイレと、何かを買いに行くだけではない、日本で暮らす人を大きく支える場所であることは間違いないかと思います。

マクドナルドやバーガーキングといった誰もが知っているような、名のしれた大手のコンビニもあれば、北海道にはセイコーマートなど、各都道府県にオリジナルのコンビニが存在しており、本書で撮影されたファストフード店舗同様にバラエティーに飛んでいるものであるかと。

ちなみに本書には31アイスクリームや、ピザハットなどもあり、確かにこの企業もアメリカだわー!と、彼が撮影しにいった店舗の種類に脱帽します。。。

そして、ファストフードで働くということと、コンビニで働くということは、イメージとして似ている気がします。

そして何より思ったのは、今、日本のコンビニのスタッフを撮影しようと思うと、日本人のスタッフではない人もいることになります。
それは、今の日本の現状を垣間見せる結果になるのではないでしょうか。

ま、本当にコンビニのスタッフさんを撮影出来るのか、出来ないのかとかは横に置いておいて、彼の作品を解りやすく説明するために例を出してみましたが、このような着眼点を見つけてくる写真家・Richard Renaldiという人が凄すぎるのです。

合わせてアメリカはもう「モーテル」や「ダイナー」では無くなったんだなーと、今のアメリカをアップデートさせてくる彼がやっぱり凄いなと思うのです。

彼の作品を見ていると、スタッフはモノクロでお客さんたちはカラーと撮り分けているのも面白いのだけど、何より人の選び方が本当に秀逸だと思うのです。

オレンジと白のボーダーで有名な「Whataburger」というハンバーガー屋さんで、運送会社であるUPSの人が2口ほどかじったハンバーガーを持ってこちらを見つめている作品があるのですが、これも日本に変換すると吉野家でクロネコの人が休憩しているというか・・・。

UPSというアメリカを代表する運送会社の人を見つけていて、その人がアフリカ系アメリカ人で、指を怪我しているのか絆創膏が貼られています。
肌の色、仕事内容の大変さ、色々なものが写真から伝わってきます。

写真家のハント力に本当に驚きを隠せません。

マクドナルドやケンタッキーなど、その店舗のカラーというかイメージもあるのに、彼の写真は人に集中させてくるので、彼の撮影における技術力を伺える瞬間です。

なんだろう、マクドナルドのロゴ見ただけで、ポテトの揚げ終わった音とか、入った瞬間に解る店舗の匂いとか、瞬時にイメージしてしまいますが、彼の写真は出来ないというか。。。

大判カメラで撮影しているという理由のフォーカスのせいか、繊細なディティールのせいなのか、やはりモノクロとカラーで撮り分けたからなのか?

あ、あともう1つ楽しかったのが、スタッフさんたちの名札!日本では名字ではなく名前は、親が漢字の意味合いを含めてそれぞれに名前をつけますが、アメリカは家族の誰かから名前を貰ったりすることが多いので、そこからもアメリカを感じました。
ここも見つけて撮影してたらめっちゃ怖い。

あ、まだ話していいかな。お客さんたちの食べ方もアメリカを感じて。。。

日本のファストフードって無料のケチャップって無いのだけど、アメリカはあります。そのケチャップの出し方というか・・・ペーパーナプキンの上に全部出すスタイル。

そのスタイルで食べているのはお姉さんなのだけど、ポテトしか頼んでない所とか、顔や身体に傷があるのも気になるし、目が充血している中東系の顔したカップルから、移民という問題も垣間見えるし。

ありとあらゆる所からアメリカを感じるよーーーーーー!って楽しくなっちゃって2週間ずっと読んでた。

やっぱり、ポートレイト写真集ってこうであって欲しいよなと。

いやーーーまじで、パーフェクト過ぎる1冊で、写真は見た目だけの話しではなく、その先にしっかり内容があること、読み物であることが解り、大満足の1冊でした。

あぁもう、本棚が満杯で入るスペースなんて1mmも無いのに買ってしまったよーーーーー。

Billions Served / Richard Renaldi(リチャード・レナルディ)
¥11,000 税込
https://bookobscura.com/items/6a2a5f7b99e93c12e73a178e